学習院大学に保存されていた資料 

  2016年3月25日 


 2016年2月

 学習院大学の荒川一郎先生から、突然お手紙が私宛に届きました。
 荒川先生は同大学の理学部物理学科の教授をしてみえて、木下是雄先生(父の旧友で、学習院大学学長を1981年~1985年まで務められる)の物理の後任をされているとの事で、木下先生が一昨年96歳でお亡くなりになった後、先生の遺された資料等を整理なさっていて、父の木下先生宛の手紙などを発見されて、ご遺族のご許可も取ってくださり、その資料をくださるとの事でした。
 思いがけないお手紙にとても嬉しく思いました。その後、受け渡しの方法などをメ-ルでご相談し、3月25日に、伊勢方面にお出かけになったおりに拙宅にお寄り下さり、ご持参くださいました。



 11:30

 荒川先生がご到着になり、同席してくださった水野さんと私は、まず自己紹介の後、木下先生の遺された下記資料をいただきました。
 この資料の内、手紙は該当の年度に解読清書しました。また報告書の父の書き込み部分は重要と思われますので、「暗黒の章」の該当部分の掲載に追加致しました。






資料が綴じられていたファイル


S30.1.7上高地で作成した
前穂高東壁遭難報告書
のガリ版刷りのもの。
(書き込みあり。
木下先生の覚書的な書き込みと、
父が入れた書き込み)



この報告書をクリックしてください
報告書原稿に続いて、全文ご覧いただけます

木下先生宛-石岡繁雄
日付不明の手紙



この手紙をクリックしてください
解読清書した文章が該当頁に掲載されています

木下先生宛-石岡繁雄
日付不明の手紙






木下先生宛-
群馬大学工学部伊東平八郎先生からの
手紙2通と封筒




この封筒をクリックしてください
解読清書した文章が該当頁の「3月15日付木下先生からの手紙」の下に掲載いたしました



用途不明の装置写真




 
用途不明の装置写真



この写真の装置が何かお判りの
方がいらっしゃったら
ご一報を宜しくお願い致します
 
木下先生のメモ3枚


 荒川先生は、お父様が福井の大野市・お母様が伊勢のご出身で私と同年輩です。東京育ちで麻布高校・東大卒のとても都会的な紳士です。現在は学習院大学副学長で理学部物理学科教授、山岳部の部長をしてみえます。
 木下先生が学習院の学長になられた際に、物理の後任として赴任されて、木下先生ご逝去の後、先生の研究室に残された資料や登山道具等の整理をされて、今回の資料を発見されました。
 発見当時、相田さんにもお会いになり、資料をお見せいただいたとのことです。相田さんから、荒川先生がデ-タ化された父の手紙と、ガリ版刷りの資料をいただいていたにもかかわらず、全く忘れておりました。

 それから、会食となりました。
 水野さんがしっかりお相手をしてくださり、1年前の学習院大学山岳部の遭難事故のことや、名古屋大学時代の木下先生と父の思い出話もお聞きしました。
 ナイロンザイル事件のことはあまり詳しく木下先生からはお聞きになっていないそうですが、荒川先生はナイロンザイル事件の本質をよくご理解されているご様子で、不正が明白となった後も、不正をきちんと正さなかった日本山岳会の対応についてはかなり批判されていました。
 また、父の親友の南極の鳥居鉄也氏や、中川和道氏(神戸大学)ともご懇意だそうで、しきりに父と会いたかったと言ってみえました。
 荒川先生は、『屏風岩登攀記』と『石岡繁雄が語る 氷壁・ナイロンザイル事件の真実』本を熟読していらっしゃり、私のホ-ムペ-ジもしっかり見て下さっていて、とても嬉しく思いました。
   
 
 会食後、石岡高所安全研究所を水野さんがご案内下さり、ミニ実験装置による3mmナイロンロ-プの鋭角と面取りしてある角での実験を体験していただきました。
 奥様とお母さまがお待ちとの事で、13:30にはお帰りになりました。
 短い時間でしたが、来てくださって本当に有難く、有意義なひと時を過ごすことができました。
 荒川先生、本当にありがとうございました。

 荒川先生がお持ちくださった資料は、このホ-ムペ-ジの「新たなる旅立ち」の「暗黒の章」の該当部分に、掲載いたしましたのでご覧ください。

 鈴鹿高専祭展示の時に、名古屋大学文書資料室に寄託してあります資料等の貸出を若干受けましたが、その時に、私たちの整理の仕方が悪くて、寄託品目録の不備などを発見いたしました。
 4月13日には、文書資料室で堀田先生のご指導を受けて、寄託してあります資料等の再整理と、文書資料室規格の特定歴史公文書等の識別番号付目録作成作業がはじまります。この度、荒川先生がお持ちくださいました資料も、整理分類識別番号付与の後、文書資料室に寄託いたします。
 これからも、父に関する資料が発見されて、末永く保存されるよう、努力していくつもりです。

 このホ-ムペ-ジをご覧の皆様!父に関する資料等の情報がありましたら、是非お知らせ下されば幸いです。宜しくお願い致します。

                      2016年3月27日 あづみ記