大町山岳博物館     

        

平成20年9月27日〜28日



今年の3月3日に行われた石岡高所安全研究所の実験用鉄塔の撤去を惜しんで
『石岡繁雄が語る 氷壁・ナイロンザイル事件の真実』の共著者
相田 武男さんが鉄塔の写真を
100年プリントで大きく伸ばし、額に入れてくださいました。
2枚作ってくださったうちの1枚と
『…ナイロンザイル事件の真実』の本を
大町山岳博物館に寄贈してくださるとのことで
日頃、父の資料整理や年表作成でお世話になっている
豊田高専山岳部OBの水野さん・菅沼さん・森川さんと共に
大町山岳博物館に行って来ました。

その様子をご覧ください。



9月27日(土)

8:00 鈴鹿出発
9:10 名古屋金山駅で、水野さん・菅沼さん・森川さんと合流
大町に向け出発!



10:00 中央自動車道にて

左より 菅沼さん・私・森川さん




13:00 大町のお蕎麦屋さんで相田さんと合流

久々の相田さん(右)と水野さん



14:00 大町山岳博物館着

山岳博物館の副館長 宮野典夫さんが
待っていてくださいました




応接室に通していただき
相田さんからの写真と本の寄贈。
私は『ザイルに導かれて』と『屏風岩登攀記』の
最新版を寄贈しました

写真の説明を熱心にされる相田さん




博物館内の「遭難」のエリアに
ナイロンザイル事件の展示がありました




展示の前で鉄塔の写真と
三冊の本を入れて…

右が、宮野 典夫副館長




篠田軍治氏による蒲郡での公開実験
(S30.4.29)の結果、
ナイロンザイル事件が勃発しました。
「ザイルは過失によって切れたか?
ザイルに欠陥があったか?」
五朗叔父さんの遺体が発見
(S30.7.31)されて、
正確にザイルが結んであることが確認され、
現場調査(S30.8.6)が行われました。
遭難から7ヶ月以上が経っていたにもかかわらず、
ザイルを切った岩角には風雪に耐えて
ザイルの繊維片が3つ付着していました。
その繊維片がアクリル板に収められて
大事に保存・展示されていました。




五朗叔父さんと石原國利さんをつないでいた
切れたナイロンザイルの実物




ザイルがかかっていた岩場の石膏模型

模型に書かれている字は
父のものでした




ザイル切断現場の再現実験に
使用した岩石

白く囲んだ部分にザイルをあてて
ザイルの端に結んだ荷重を
落としてテストをしました



岩稜会によるナイロンザイル事件の報告書

この冊子の一冊が井上靖氏の手に渡り
『氷壁』が生まれました

家に有るものよりも
ず−っと、保存状態が良く…




ナイロンザイル事件の概要がかかれた
展示用ファイル



遭難 主要年表の
展示用ファイル

枠内右上にナイロンザイル切断遭難が
記載されている




ナイロンザイル事件の展示の前で…

幼い日の私は、ここに来たことが
あったのでしょうか?
物心ついてから初めて見る
ザイルの糸くずや五朗叔父さんのアイゼン
感無量でした
生前の父を、今一度連れて来たかったなぁ。。。



館内を見せていただく




館内にある「喫茶 こまくさ」で
コーヒーを御馳走になりました




「こまくさ」は売店も兼ねています
並んでいる本も販売用
『…ナイロンザイル事件の真実』と
『屏風岩登攀記』を置いて
いただけることになりました

上段の赤い帯の本は『氷壁』です
それと『…ナイロンザイル事件の真実』を
並べて置いていただけることになり
相田さんは大喜び!
並んだところを是非見たい!!



帰りに博物館前で記念撮影

宮野様、お世話になりました
これからも宜しくお願いします





大町山岳博物館の
パンフレットです

各種展示の他に
「日本山岳画協会 大町展」や
「きのこ展」もやっていました

一度、お出かけになってみては!




紅葉にはまだ早い時期でしたが
ほんのりと木々は色ずき始めていました




16:30 今宵の宿、葛温泉「高瀬館」に到着
天然温泉で温まり…

18:00 夕食
地元の山の幸に舌鼓

そして当然宴会です
日ごろお世話になっている皆様と…
乾杯!!



9月28日(日)

あいにくの曇り空でしたが
「せっかく来たのだから」と
観光に出かけました

行き当たりばったりの、気ままな旅です



9:00 高瀬館出発

旅館の前で記念撮影




葛温泉から車で15分程上り、七倉ダムへ
そこからタクシーに乗り換えて
30分程の距離にある
高瀬ダムに行きました

ダムを下から仰ぐ
超迫力!



タクシーの運転手さんの
名調子の説明が面白くて…

寒くて凍えながら聞く面々




満々と白濁した水をたたえるダム湖




中央にとがった姿の
槍ヶ岳の穂先が見えます

右の方に続くのは
三俣蓮華岳・野口五郎岳・烏帽子岳




唐沢岳(2,632m)
オ−バ−ハングのロッククライミングで
有名だとか…




ダムの斜面は石組で出来ていて
その斜面につづら折りの道が続いています




高瀬ダムを後に
「さて、何処へ行こうか?」
相田さんにおまかせです




相田さんの車を追って着いた所は…
白馬五竜アルプステレキャビンの乗り口でした

私が中学1年の時から毎年訪れていた
ホ−ムゲレンデ!
7年振りです!懐かしい…




テレキャビンのアルプス平駅から
リフトに乗り継いで地蔵の頭へ

お天気なら絶景が拝めるはずなのに
今日は雲の中




13:00 大町市でお蕎麦のランチ



14:00 大王わさび農場でお土産を買い
相田さんとお別れです

18:00 知立駅で解散
19:30 鈴鹿安着



今回の大町への旅は、作業をお手伝いくださっている岩稜会の藤田さんのお母様が
急な入院でご参加されなかったのは、とても残念でしたが、
相田さんのお陰で有意義な旅になりました。

大町山岳博物館に、これから展示される品々も楽しみです。

参加してくださった皆様お疲れ様でした。
本当にありがとうございました。



              −毎度のおまけです−  

2008.5.6に更新した「石岡高所安全研究所実験用鉄塔」の
ペ−ジの<作業過程>の続きです


鉄塔撤去から7ヶ月が経ちました

7月から豊田高専山岳部創設者の最後の一人
森川さんの参加を得て、
月に二度の割で作業を続行しています。

作業員が5人になったので、
菅沼さんと森川さんが父の特許関係を調べて、
表にして下さっています。
日本の特許・実用新案・意匠登録だけで
253項目を越え
これから外国特許などの整理が始まります。

岩稜会の藤田さんと水野さん・私で、
特許以外の全ての資料の整理と
年表の作成をしています。
50冊あるスクラップブックのデータを、
年表にまとめる作業が終わり
8月からは、バラバラになっている、
その他の資料の整理に入りました。
スクラップブックに貼ってある
重要な資料が抜けていたり、
コピーした物になっていたり…
貼ってない物でも重要な資料があったり…
一つ一つ重複していないかを確かめて、
スキャニングを終えていない物については
全てデ−タ化しています。
現在、1683項目を超えました。
気の遠くなるような作業ですが、
皆様のお陰で徐々に進んでいます。

左の写真は資料の整理風景です。
最終目標は、重要な資料のデ−タ化と
現物をナンバリングして
保存することです。

皆様、応援してくださいね!